私は子育ての相談をよく受けます。
今回ご紹介するのは、
よくある親子のすれ違い。
Aくんのお兄ちゃんは少年野球をやっていて、
Aくんも自然と野球をやるものだと
思われていました。
キャッチボールをやっても、
お兄ちゃんよりもセンスがあることを
周りは認め、親も期待して野球をやる
雰囲氣を作ります。
しかし、いつまで経ってもチームに入ると言わない。
いざ体験入部の日になると、
お腹が痛くなったり、足が痛いと言ったり、
時には痙攣発作を起こしていました。
結局チームに入らないままここ1年くらい
ズルズルきています。
親としては、せっかく才能もありそうだし、
野球をやらせたい…
この場合、あなたならどう捉えますか??
客観的に見ればお氣づきかと思いますが、
実はAくん、野球をやりたくありません。
週末は2日間とも練習や試合。
真夏や真冬も練習があり、
努力を強要されます。
Aくんは、チームに入ってしまったら
Aくんにとって大切な自由が減ることに
氣づいていました。
親としては、せっかく才能があるのだから
やったらいいのに、という氣持ちを持つのは
無理もないことだと思います。
ここで大切なのは、
Aくん自身が決めること。
Aくんは「チームに入りたくない」
という想いを、口で言う代わりに、
症状に出して表現しています。
本当は口で言えば、
辛い思いをしなくてすむのですが、
口では言えない環境なのでしょう。
Aくんが、本心で「チームに入りたい」と言うまで
チームには入らない方が良いでしょう。
そのような事をお母さんに伝えると、
「そうしている間に周りの子が
どんどん上手くなって、
ついていけなくなるじゃないですか。
それに、やりたいことが見つからない子には
なって欲しくないんです。」
とおっしゃいます。
お母さんにとって、
なぜか野球をやるのが当たり前になっていたようです。
野球じゃなくても、スポーツは色々あるし、
ゲームや漫画、絵など、夢中になるものは
いくらでもあります。
そして、“やりたいことが見つからないのはダメ”という
“思い込み”があったのかもしれません。
確かに人生において、
やりたいことをやるというのは大事です。
しかし、それが親がやって欲しいことと
一致するとは限りません。
「野球をやりたくない」という
Aくんの言葉にならない意思を汲み取り、
そんなAくんも受け入れ、
認めてあげることが大切でしょう。
人のことだと分かるのですが、
我が子のこととなると周りが見えなってしまうのも
人間の面白いところですね(^^)
《世界の健康常識をアップデートする》
飯田朋秀
コメントを残す